ありがとうさようなら

蜷川さんが亡くなった。全然知らなくて2号が帰宅するなりそのニュースを口にしたので驚いてしまった。小栗さんに惹かれて長年離れていた舞台をまた観るようになったとき最初に観たのが蜷川シェイクスピアだった。それまでは小劇場中心だったので商業演劇の華やかさや舞台装置や衣装の美しさが珍しくそれがとても魅力的に感じた。オールメールの楽しさもシェイクスピアの綻びもすべて蜷川さんに教わった。私の人生にキラキラが増えたのは確かに蜷川さんのおかげだ。近い将来の小栗さんとの共作を楽しみにしていたけれど叶わぬ夢となってしまった。それだけが心残り。まだ青くしなやかな小栗さんもステキだったけれどぐっと落ち着きを増して男っぽくなった今の小栗さんならまた違ったシェイクスピア作品を演じられたと思うのに。残念だけれど蜷川さんが遺してくれたたくさんの作品が心を豊かにしてくれるに違いない。最後の最後までお疲れさまでした。心よりご冥福をお祈りいたします。